教員採用試験対策の面接官役をしてきた話
大学に行って面接官役をしてきた
大学生の時に"教職サークル"なるものに入っていました。
教職を志す者たちが集まり、面接練習をしたり、勉強方法を話し合ったり、その他様々な情報共有をしたり、時には愚痴をこぼしたり、悩みを相談し合ったり。
私が教壇に立てているのはこのサークルがあったから、と言っても過言ではない。
先日、そのサークルが教員採用試験の二次対策を行うということで、久しぶりに大学に行って面接官役をしてきたという話です。
二次試験の個人面接・集団討議の練習
練習をしたのは主に個人面接と集団討議。
個人面接
面接官として学生に質問を投げかけ、その答えに対して掘り下げていく。
普段、面接官のような経験をすることはないので、質問するのもなかなか難しい…。
緊張しながらも頑張って応えようとする学生を見て、こちらも本気で臨んでいく。
集団討議
こちらは6~8人でグループをつくり、ひとつのテーマについて討議を行う。
テーマは「よい学級とは?また、よい学級をつくるために教員として何ができるか?」みたいな感じです。
※これは一例ですが、実際に私が受験した時に出題されたものです。
面接官は最初にテーマを伝え、あとはひたすら学生たちが討議している様子を見ている。
討議がどのように進んでいくのか、ワクワクしながらも表情には出さず…。
練習の感想
感じたことをそのままに。
個人面接
質問を正しく理解して回答すること。
これが一番大切。
聞かれたことに対して正しく答えることができているか。
そんなん当たり前やん
そう思うかもしれません。
実際に面接官をしていると「ん?」と思うことが少なくない。
面接の基本は言葉のキャッチボール。
相手のキャッチしやすい場所にボールを投げましょう。
当日の面接官は校長・教頭、教育委員会など年配の方が多いでしょう。
年配の方がキャッチできるボールを投げなければいけません。
横文字を並び立てていては理解してくれません。
面接官が分かる言葉をチョイスすることが求められます。
ポイントを挙げればキリがないですが、私が一番大切にしているのはこの部分ですね。
集団討議
テーマを他の受験者と共有すること。
討議に関してはこれですね。
先述したように、私が受験した際のテーマは「よい学級とは?また、よい学級をつくるために教員として何ができるか?」というものでした。
テーマに関して、他の受験者と考えのすり合わせを行わないとグループという名の船が沈没します。
『よい学級とは…?』
みんなが仲良し
行事で金賞がとれる
テストの平均点がトップ
もしこのまま討議を進めたとしたら、ドボンです。
必ずテーマの確認をし、『よい学級とは何か』を共有しましょう。
「みんなに居場所がある」とか、「困った時に助け合える」とか。
『よい学級』=「○○○」
という図式を他の受験者ときちんと共有してから討議をスタートさせましょう。
そんなん当たり前やん
当たり前のことのように思うからこそ見落としがちになります。
受験者全員が乗った船が沈没しないようにするためにも、しっかりと準備を。
練習全体をとおして
つらつらと書いてきましたが。
面接練習後の飲み会を終えて帰宅中。やっぱり現役生は目をキラキラ輝かせてほしい。経験では講師に勝てない人がほとんどだろうから、ひたむきさとかフレッシュさをバンバン見せてほしい。面接官は現役生の経験に投資するわけではなくて、伸び代に投資する。「この子と働きたい」と思わせたら勝ち。
— なかじま@中学校教員 (@Jiro7d) 2018年8月11日
『この子と働きたい』
これがすべてだと思います。
Twitterでは"キラキラ"と書いたけど、"ギラギラ"輝かせてほしい。
俺を採用しないで誰を採用するんじゃい!!!!!
口に出さなくても、それくらいの気持ちはもっておきたいものです。
偉そうに書いていますが、面接官役をやると、めちゃくちゃ刺激もらえるんです。
これだけブラックだの何だのと騒がれている時に、教員になりたくてなりたくて仕方ない学生の熱い眼差し。
「授業で○○がしたいです!!」「○○な学級をつくります!!」
教員になりたくてなりたくて仕方なかったあの頃の自分を思い出させてくれる、めちゃくちゃ大切な時間です。
だからきっと私はこの先も声をかけてもらえる限りは、面接練習に顔を出すことでしょう(笑)
一度、面接官役をやってみると、この感覚がなんとなく分かってもらえるような気がします。
ぜひ。
その後の飲み会での話
面接練習の後はサークルのOB・OGで飲み会を行うのが慣例。
面接練習では学生に先輩としての姿を見せつつも、飲み会では悩みや苦労を語り合うことも…。
飲み会で感じたこと。新卒で働き出した子たちは不安でいっぱいなんだということ。授業準備や部活動指導など、「これでいいの?」と悩みながら今までやってきたみたい。外の世界に出るのは勇気が必要かもしれないけど、悩んだり苦しんだりしている人こそ思いをぶつけられる場所を見つけてほしい。
— なかじま@中学校教員 (@Jiro7d) 2018年8月11日
私は現場に出て4年目のペーペー教員ですが、新卒の子の中には不安でいっぱいの子が一定数いることを痛感した。
右も左も分からずに学校に放り込まれて、
怒涛の4月を終えてゴールデンウィークまで駆け抜ける。
暑さが増していくとともに成績処理や個人懇談など、重たいコンボがのしかかる。
息を切らしてやっとこさ夏休みを迎えたという後輩が何人かいた。
何とかしたいなぁと思った。
その後輩たちは何とかここまでやってきた。
でも、中にはそこまでたどり着けなかった人もいるんだろう。
教員になりたくてなりたくて仕方なかった、そして夢を叶えた、そんな人も。
私にできることは限られている。
でも、せめて私の半径5m以内くらいの人は何とかしたい。
こうしてブログに書いたり、
Twitterで発信したり、
飲み会で話を聞いたり。
そんなことを考えるきっかけになった一日でした。
こんな記事も書いています。