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【学級経営】給食準備は学級経営の柱になる

 給食準備は学級経営の柱

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私は、給食準備は学級経営の柱になると思っています。

今日はそんな自己流の思いを書いていきます。

なぜ給食準備なのか

きっかけはふとした瞬間

新任として勤務校に赴任して、給食が始まった時、驚きました。

給食の準備中に座って読書をしている生徒がいたからです。

その担任の先生のやり方を批判するわけではありませんが、違和感を覚えました。

「自分の給食くらい自分で用意しようよ」

という言葉が出かかりそうでした(笑)

その学級のシステムには踏み込めない立場(副担任)だったため、「こういうやり方もあるんだなぁ」と思うにとどめました。

それと同時に、「自分が担任になったら、全員で給食準備をしよう」と決めました。

全員で取り組めることがポイント

特殊なケースを除き、全員が学校で給食を食べます。

全員が同じタイミングで、同じように取り組めることがポイントだと思ったのです。

だからこそ、給食準備に関しては"全員で"という言葉をよく使います。

学校生活には全体の場面と個々の場面がありますが、私の中で給食準備は全体の場面なのです。

楽しい時間はできるだけ長く

これも特殊なケースを除き、食べることは楽しいことだと思っています。

ちなみに私は、小学校の時に牛乳を飲むことがとても苦手だったため、給食の時間が来るのが嫌だったという経験がありますが…。

これは、個人に合わせてルールを設けることで対応していくべきだと思いますので、ここでは触れないことにします。

話を戻しますが、食べることの楽しさに加えて、会食をする楽しさがあります。

給食を食べながらだと、普段はできないような話をしていることもあります。

笑いすぎて牛乳が飲めない、という場面も目にします(笑)

楽しい時間を1分でも長くしたい。

そんな思いも給食準備に込めています。

実際の取り組みを紹介します

担任としての思いを伝える

思いを伝えるのは1学期の最初です。

いわゆる、黄金の三日間という日に当たるかと思います。

ここで、給食準備に対する熱い思いを語ります。

「俺は本気なんだ!!」

という気持ちを伝えることが第一歩です。

「なんかこいつ熱いな!」

と思ってもらえたらしめたものです。

アイテムを用意する

ここでは必須アイテムの紹介をします。

【ストップウォッチ】

普通のストップウォッチでいいです。

4時間目のチャイムが鳴ったら時間を計り始めます。

準備をし終え、全員が着席したら計ることをやめます。

係が計測タイムを発表…

「○分○○秒です!」

その時、どんなタイムでも拍手をするようにしています。

頑張った自分へ、頑張った友達への拍手です。

この拍手の大きさに、学級の達成度が表れてくるので面白いですよ。

シチズン Q&Q ストップウォッチ スプリット計測 カウントダウンタイマー 付き HS44-001

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【献立表】

献立表を見ることのできる場所に掲示します。

その日のタイムを献立表に書き込んでいきます。

数字は嘘をつきません。

早かった時、遅かった時が一目で分かります。

一種のバロメーターにもなるので、学級の雰囲気も感じ取ることができます。

もちろん、給食準備に対するモチベーションを上げるためにも欠かせません。

献立表と一緒にペンを置いておくと、すぐに書き込めて便利です。

白衣に着替えるスピードを意識させる

給食当番が白衣に着替えるスピードによって結果が左右されます。

着替えるのが早い班は準備も早いです。その逆も然り。

最初に徹底します。

給食当番は4時間目終了のチャイムが鳴ったらダッシュで白衣に着替えるようにします。

ここに時間がかかっていると、結果が表れにくくなってしまいます。

食器を配膳するスピードを意識させる

もちろん、食器を配膳するスピードも大切です。

盛り付けられた食器がいつまでも配膳台に置かれたままだとタイムロスの原因になります。

給食当番の配膳する手が止まらないように、全員で協力して配膳する必要があります。

それこそ、バケツリレーのように運んでみたこともありました(笑)

うまくいかない時こそチャンス

最初は褒めまくってみる

最初は褒めます。

成功体験を積ませます。

例えば、4時間目が自分の授業なら、少しだけ余裕をもって授業を終わります。

そして、給食当番に余裕をもって白衣に着替えさせます。

そうすれば、大きな時間短縮になります。

それでも、タイムという結果が出るとやっぱり嬉しいものです。

褒めさせるためには、成功させてあげることが手っ取り早いです。

そのための伏線を張っておく必要があるのです。

今週のMVPを決めてみる

今週のMVPを決めるのも面白いです。

どんなスタイルでも構わないかと思いますが、ひとつだけ。

具体的な行動と、それによって助かったことまで話せるといいです。

いずれにせよ、ちょっと刺激を与えたい時に取り組むのがおすすめです。

学級会を開いて話し合ってみる

「どうしたら、もっと早くなる?」

そう問いかけるだけで、議論は広がっていきます。

ペアで、グループで、学級で、やり方はそれぞれです。

一人ひとりがアイディアを出し合い、意見をぶつけ合う。

それだけでも給食準備を学級会の話題にする意味はあります。

配膳システムを変えてみる

学級会を開くだけでなく、実際にチャレンジしてみることが大事です。

私の学校では、ワゴンを運び、ワゴンに載っている食缶やバットを教室に運び、配膳していくスタイルになっています。

一人の女子生徒の意見がありました。

「牛乳をワゴンから教室に運ぶのは、最後でいいと思います。」

周りのみんなは「?」という感じになっていました。

要するに、ご飯や食缶は食器と連動しています。

食器がなければ盛ることはできないし、食器だけあっても盛ることができません。

しかし、牛乳は単品で配ることができます。

牛乳以外だと、添加物など、単品で配膳が完結するものに関しては、最後に運べばよいのではないだろうか、という意見でした。

そうすると、その反対で、最初に運ぶのは食器という結論にも辿り着けたわけです。

思い切って挑戦させることも必要ですね。

こんないいことがある

生徒の自己有用感が高まる

「俺、役に立ってる!」

と思えることなんて、そう多くはありません。

ですが、全員で給食準備をすることによって、

「一人ひとりが頑張ったから記録更新できた!」

につながっていきます。

実際に、私の学級では、学期の反省に「頑張ったことは給食準備です」と書いている生徒もいました。

友達の気づかいに気づける

私の学級では、「ありがとうカード」なるものを書いています。

簡単に言うと、日ごろの感謝をカードに書いて友達に渡すというものです。

ちらっと、カードに書き込んでいる内容を見てみると…

給食準備に関することを書いている子が少なくありません。

今週のMVPにも言えることですが、友達の意外な気づかいに気づくことができるようになります。

所見が書ける

全員で行うので、全員の所見に書くことが可能です。

具体的な姿を記述しなければなりませんので、内容は個人で変わってきますが…。

給食準備でピカピカに輝く子がいます。

一歩引いた立場で給食準備の様子を眺めていると、たくさんの気づきが生まれてきます。

まとめ

・給食準備は学級経営の柱になる

・全員で取り組めることがポイント

・黄金の三日間で熱い思いを伝えよう

・ストップウォッチと献立表が必須

・白衣に着替えるスピードが大切

・配膳では当番の手を止めさせない

・最初は褒めまくる

・MVPを決めてみよう

・学級会の議題にしてみよう

・配膳システムを変えてみよう

・自己有用感が高まる

・気づかいに気づける

・所見が書けちゃう 

給食準備に取り組むことで、様々なプラス効果があります。

力を入れてみて損はないと思います。

お役に立てれば幸いです。


岐阜市立陽南中学校 配膳リレー

こんな動画もあります。勉強になりますね。

それでは。