青少年赤十字について知っていますか?
青少年赤十字の基本理念について
みなさんは、青少年赤十字のことを知っていますか?
JRC(Junior Red Cross)と呼ばれることもあります。
教員になりたての頃はまったくと言っていいほど無知でした。
しかし、2年目に青少年赤十字の研修に参加してから、少しずつ体験を重ね、人よりも多少詳しくなりました。
学べば学ぶほど、学校教育に生かせるアイディアが生まれてくるのが青少年赤十字です。
今日は、その概要についてご紹介します。
赤十字とは?
そもそも、赤十字って何?
そう思われる方も多いことでしょう。
赤十字は、アンリー・デュナン(スイス人:第一回ノーベル平和賞受賞者)が提唱した「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」ことを目的とし、世界191の国と地域に広がる赤十字社・赤新月社のネットワークを生かして活動する組織です。
アンリ―・デュナンって誰?
説明します。
デュナンはスイス人の実業家です。イタリア統一戦争における、ソルフェリーノの戦いの近くを通りかかり、死傷者が打ち捨てられているという惨状を目にします。
そこで、デュナンは町の人々や旅人たちと協力し、傷ついた者たちを救いました。
ジュネーブに戻ったあと、『ソルフェリーノの思い出』という本を出版し、大きな反響を呼びました。
その後、ヨーロッパ諸国の間でジュネーブ条約が調印され、国際赤十字組織が誕生したのです。
要は、「赤十字の父」ということです。
青少年赤十字とは?
じゃあ、青少年赤十字って何?
実は、なかなか難しい質問です。
学校の教員と赤十字との出会いの中から生まれたものだと言われています。
そもそも、赤十字の活動には「人道の原則」というものがあります。
①命と健康を守ること
②人々の苦痛を軽減し、予防すること
③人間の尊厳を確保すること
これらの考えは、青少年赤十字の理念や活動の中に受け継がれています。
「人道」というと、難しく感じますが、そうではなく、誰の心の中にも本来ある「やさしさ」や「思いやり」の心であり、それを引き出し、育てることが青少年赤十字の役割だとされています。
青少年ってどれくらいの人?
メンバーの範囲としては、小学校1年生から高校3年生までとされていますが、幼稚園等の加盟も認めています。
加盟の単位については、学校単位ばかりでなく、児童会・生徒会や学級、クラブ活動などとしても参加できるようになっています。
青少年赤十字の実践目標
デュナンの掲げた目的を達成するために、3つの実践目標があります。
①健康・安全
「生命と健康を大切にする」
②奉仕
「人間として社会のため、人のために尽くす責任を自覚し、実行する」
③国際理解・親善
「広く世界の青少年を知り、仲良く助け合う精神を養う」
これは青少年赤十字の「ちかい」ですが、ここにも目標とするものが現れていますね。
青少年赤十字の態度目標
態度目標こそ、私がみなさんに伝えたいことであり、学校教育の様々な場面において生かすことのできる考え方だと思っています。
「気づき」 「考え」 「実行する」
これは、子どもが「注意深い生活」を心がける習慣を養うとともに、自分の生活または社会問題やニーズに「気づき」、その原因と解決のために道筋や方法を「考え」、問題解決のために具体的な活動を「実行する」ことの大切なを意識づけるのに役立つものとされています。
これ以上書くと長くなってしまうので、続きは次回書こうと思います。
次回はこれらの態度目標をベースにした、指導上の考え方や事例について紹介する予定です。
少しでも青少年赤十字に興味をもっていただき、学校教育につなげていただく、そんなお役に立てればと思います。